医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第18回「パーキンソン病の話」

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     仲嶋医院 院長 仲嶋 秀文(さくら市)

     パーキンソン病は脳内の「ドパミン」という神経伝達物質が減少し、情報伝達がうまく働かなくなるために生じる病気です。「ドパミン」は体をスムーズに動かすために必要で、それが減少するために体の動きが悪くなるのです。症状としては無動(体の動きが遅くなったり動けなくなる)、固縮(手足の動きが硬くなる)、振戦(手足のふるえ)、姿勢反射障害(体のバランスが悪くなる)などの運動症状と、自律神経症状(便秘や排尿障害など)、睡眠障害(不眠や睡眠中に大声を出したり動き回るなど)、精神症状(抑うつや幻覚・妄想など)、息苦しさやしびれ・痛みなどの非運動症状があります。

     パーキンソン病の治療薬はたくさんあり、症状や生活状況を考慮して治療薬の組み合わせを考えます。発病してから長年経過すると、ウェアリング・オフ(薬の効果が短くなる)やオン・オフ(薬の効いている時間と効いていない時間ができる)、ジスキネジア(体が勝手に動いてしまう)などが見られるようになります。治療薬の吸収や脳への移行に乱れが生じるためと考えられています。このような症状の変動をできるだけ少なくすることが目標です。薬物治療の他、体の動きを改善するリハビリテーションも必要です。

     パーキンソン病は、その経過とともに歩行などの運動障害が進行し、外出が徐々に困難になります。通いなれた病院への通院が困難になった場合に、地域で患者さんを支える診療体制が必要です。近くの医療機関や訪問看護ステーション、介護施設、薬局、ケアマネージャー、福祉関係など多職種が連携して、その人らしさを保ったまま暮らせるような体制づくりが必要です。

     「ドパミン」は日常生活を楽しむことで分泌が良くなると言われており、パーキンソン病の症状改善の一助になります。医療や介護、福祉などの支援を上手に利用し、快適に楽しく生活することを心がけましょう。



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