医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第9回 訪問リハビリ

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              訪問看護ステーション卯の郷 作業療法士 橋本智史

     2025年には、国民の約5分の1が75歳以上となる超高齢社会を迎えます。それに伴い、国は「医療機関完結型(病院)」から「地域完結型(在宅)」への移行を目指し、在宅医療の推進や介護サービスとの連携に積極的に取り組んでいます。そのような中で、在宅医療を望む患者様が「その人らしく暮らし」「より良く生きる」ためには様々なニーズに対応したサービスが必要となり、その中の一つとして訪問のリハビリがあります。

     訪問のリハビリは、リハビリ専門職が生活の場であるご自宅に伺い、患者様が安全で安心して在宅生活が送れるよう、日常生活動作の維持・向上や社会参加への支援を目的に行います。皆様のイメージする体を動かす筋力トレーニングはもちろん、患者様1人1人の生活の場を考え、「暮らし」にマッチした機能向上のエクササイズを行っています。それにあわせて、生きがいや喜びは「暮らし」の中にこそあるものだと考え、機能的なリハビリの先にある「明確な目標」が大切だと感じています。患者様によって様々な目標がありますが、リハビリ専門職として、患者様の「明確な目標」に寄り添い、精一杯支援していきたいと思います。

     1つ事例として、私が関わっている患者様をご紹介します。その患者様は脳疾患の後遺症で右の手足に麻痺が残っており、椅子から立ち上がる、床から立つ、歩行する、全てにおいてふらつきと恐怖心が見られ、転倒の危険性があります。訪問のリハビリでは、日常使用している椅子からの立ち上がり練習、床からの立ち上がり方法の指導、坂道や砂利道の歩行などを行っています。また、この患者様の、「歩きたい」という希望にあわせて、「あの場所の景色がもう一度見たい」「買い物に行きたい」「カラオケに行きたい」など「明確な目標」を設定するよう援助しています。歩けるようになったら何をしたいか、というその患者様の『暮らしの夢』を一緒に考え、それを実現するためにリハビリを行っていることをいつも忘れないようにフォローアップ活動を実施しています。



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