医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第6回 訪問介護でつながる

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    訪問看護ステーション卯の郷 北條美知(さくら市)

     私は、訪問看護ステーションに異動になりこの2年間で在宅療養する様々な方々と出会いました。ご夫婦二人暮らしでがん末期の妻を夫が介護するお宅では、週2回の訪問看護と午前と午後の毎日2回の訪問介護、週1回の訪問入浴をご利用していました。訪問看護師は患者様の状態を観察して医師やヘルパーさんと連携して療養生活を支援します。療養生活が長くなり夫は疲労が蓄積しているようでしたが、妻の好きな食べ物を用意したりして最後まであきらめず優しく介護されていました。妻が息を引き取った際には「眠っているような顔でしょ」と満足した表情で話してくださいました。こんな時、訪問看護師も同じように満足した気持ちになれます。

     4年前、私の父は白血病で入院しましたが、治療の効果が見込めなくなくなると「最期は家に帰りたい」と言って退院し、自宅で25日間を過ごしそのまま自宅で看取りました。家族は協力してくれましたが、仕事をしながらの介護はとても大変でした。父の介護はたったの25日間でしたが、介護に疲れると父を大切に思う気持ちがすり減ってしまうように感じました。もっと介護サービスを利用して、その分家族は心のケアをすることが大切だったと今になって思います。

     訪問看護を行う中で、ご利用者様とそのご家族はもちろん、ケアマネージャーさん、ヘルパーさん、開業医の先生などたくさんの方々と繋がることができました。その中で、入院はせず自宅にいたいと希望する一人暮らしの男性の状態が徐々に悪化し、訪問看護も一日に数回行くようになった頃、ご近所の方が私に「自分のできる範囲で協力します」と声をかけてくださいました。地域住民の方と繋がることができたのは初めてだったので、とても感動するとともに、人の心の温かさを感じました。またこれからも素晴らしい出会いがあるのを楽しみに、訪問看護を続けていきたいと思っています。



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