医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第5回 多職種連携

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      塩谷郡市医師会副会長 尾形新一郎(塩谷町)

     3人に一人が高齢者という時代が、もう目の前に迫り、病気をしてもいつまでも入院できる時代は過去のこととなりました。退院したからと、迎え入れてくれるはずの施設には空きはなく、それじゃ仕方がないからと家に戻れば、看てくれるはずの連れ合いも同じ様な状態、子ども達も仕事や子育てに手一杯で、「こんなはずじゃなかった」と嘆いてみたところで、笑い話にもならない様なケースがみなさんの周りにもありませんか。

     実際のケースを紹介します。90歳女性、脳梗塞で倒れたが、懸命のリハビリでどうにか車椅子には乗れるところまで回復し、いよいよ退院となる。そこで地域連携室ソーシャルワーカー、担当医、病棟看護師、家族が集まり、今後についての話し合いが持たれた。持病の高血圧症、糖尿病に加えて脳梗塞後遺障害による認知症もあり、施設入所を希望したが、いずれの施設も空きはなく在宅復帰の道を選択することとなった。在宅での療養には、介護系のサービスに加え医療系のサービスも必要で、家族は在宅を担当するケアマネージャー(介護支援専門員)と共にかかりつけ医を訪問し、病院の担当医からの診療情報提供書を提出した。そこでかかりつけ医は、定期的に利用者宅を訪問する訪問診療、訪問看護、訪問リハビリなどの医療系サービスが必要であることを説明し、訪問診療計画書を作成して在宅医療がスタートした。この他に訪問介護や通所介護などの介護系サービスも始まり在宅復帰となる。

     このように在宅医療は、多くの職種の協働により成り立っています。限られた医療・介護資源を有効に活用するには、それぞれの職種間での連携が不可欠となります。その連携には決まったパターンはなく、日々の診療に追われてアタフタしているかかりつけ医に代わり、訪問看護師が医療介護連携の橋渡し役として、ケアマネージャーと共に多職種連携の中心的役割を担うことが期待されています。



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