医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第14回 アトピー性皮膚炎、どうしよう 

0

     かるべ皮フ科小児科医院 副院長 軽部幸子(矢板市)

     アトピー性皮膚炎とは、痒みを伴う湿疹病変が長い間悪くなったりよくなったりを繰り返している状態をいいます。皮膚が乾燥しバリア機能が低下すると、外からの刺激に対して防護機能が弱くなり、炎症や痒みが生じやすくなります。皮膚を守る対策のはじめとして日常生活で注意することからお話ししましょう。

     過度に乾燥した環境にならないよう暖房の時期には、加湿器などによる部屋の加湿が大切です。入浴時は、刺激の少ない石鹸を泡立てて手でやさしく洗い、すすぎ残しのないようにしましょう。汗をかく時期には、「汗をかくこと」は症状を悪化させることはありませんが、「かいた後の汗」は痒みを起こすことがありますので、シャワーなどで洗い流しましょう。乳幼児においては、唾液も口の周りの皮疹をひどくすることがあるので注意しましょう。飲食前に口の周りにワセリンなどを外用し、食後汚れごと優しくふき取るのも有用です。毛糸やごわごわした素材の衣服の刺激や毛髪先端の刺激でも、痒みが出ることがありますので注意してください。掻くことで皮膚に傷がつくと感染症も合併しやすくなります。爪を短くし、寝る時に手袋をすることが有効な場合もあります。

     次に治療ですが、皮膚の乾燥の軽減、バリア機能の改善のために保湿剤をしっかり外用する事が大切です。いろいろな保湿剤がありますが、肌に合うものを起床後や入浴後に全身に外用します。炎症がある部分には、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬(2才以上)などの抗炎症薬を併用します。皮膚炎が改善しても、保湿剤の外用を続けることはよい状態を保てる効果があります。抗ヒスタミン薬は、痒みを軽快させるために内服しますが、個人によって効果に差がみられます。

     食物アレルゲンや環境アレルゲンが、悪化因子であるかどうかの判断は、簡単ではありません。また、湿疹の悪化と関係ある場合でも、アレルゲンの除去のみで完全に治るわけでもありません。スキンケアと外用薬による治療が大切なのです。



    categories

    selected entries

    archives

    search this site.

    others