医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第12回 中耳炎

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    中川耳鼻咽喉科医院 院長 中川 渉(さくら市)

     耳は大きく外耳、中耳、内耳の3つの部分に分けられます。このうち鼓膜の奥にある空洞になっている部分を中耳といい、中耳炎はここに炎症が生じることによって起こる病気です。

     急性中耳炎は、子どもの感染症の中で最も多いものの1つです。かぜが原因であることが多く、鼻やのどに付着した細菌やウイルスが、耳管という細い管を通って中耳に入り、感染することにより起こります。特に乳幼児では感染に対する抵抗力が弱く、また耳管が十分に発達していないため、細菌やウイルスが侵入しやすく、急性中耳炎が起こりやすくなります。

     症状としては、耳の痛みやふさがった感じ、耳だれが出るなどです。熱を伴うこともあります。赤ちゃんの場合は機嫌が悪かったり、急に泣き出したり、耳をよくさわったりします。そんな時、親御さんは急性中耳炎を疑ってみてください。

     夜間などにお子さんから激しい耳痛を訴えられますと心配になるかと思いますが、市販の痛み止めなどで痛みを取ってあげれば十分です。その後耳鼻科にて治療を開始しましょう。

     治療は、原因となっている細菌に対し抗菌薬(飲み薬や点耳薬)を、熱や痛みがひどいときは解熱鎮痛薬を投与します。さらに症状が重いときは点滴投与を必要とすることもあります。

     また化膿して中耳に膿がたまったときは、鼓膜を切って膿を出すようにします。膿が出た後は清潔にして、完全に治るまで抗菌薬を投与します。

     急性中耳炎は痛みが無くなったから治ったのではありません。きちんと治療しないと慢性中耳炎や滲出性中耳炎を引き起こし、難聴の原因になることがあります。

     さらに近年は抗菌薬の効きにくい、あるいは効かない細菌による中耳炎や繰り返し発症する中耳炎が増えており、治り難くなっています。

     症状や起炎菌によって治療にかかる期間は違いますが、痛みがなくなったからと安心せず、完全に治るまでしっかり治療することが大切です。



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