医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

命の源(市民公開講座によせて)

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     植木医院院長 植木雅人(塩谷町)

     ユニセフ(国連児童基金)から定期的にニュースレターが届きます。その中に世界ではいまだに7億5000万人もの人たちが、安全な水を十分に得ることができず、毎年50万人あまりの幼い子どもが、命を落としているとありました。子ども一人が生きるためには、1日あたり少なくともバケツ2杯、20リットルの安全な水が必要といわれています。これは飲み水や食事に使う水、そして身体を清潔に保つために基本的な衛生環境を保つのに最低限必要な量です。

     日本は世界平均の約2倍の降水量があり、水に恵まれた国です。しかし、そんな私たちも水の大切さを知らされる時があります。それは大きな災害があった時です。報道番組では、ライフラインの断絶による水不足で飲料水をはじめ、衛生面でも非常に困っている様子をみたことがあるでしょう。

     では、その大切な水、私たちの身近にある水は、どのようにできるのでしょうか。そこには太陽の光が降り注ぐ豊かな森、そこに棲んでいる微生物などによって落ち葉が分解された腐葉土と混ざった土。雨が降ればこの柔らかい土にしみこみ、水は蓄えられ育まれます。育まれた水は、やがて地下水となり、何十年後かに湧き水となって地表に現れ、沢となり川となり里へ流れます。そしてその水を利用し、田や畑や川で育まれた作物や魚などの安全な食を通し、私たち人間も育まれていくのです。私たちは長い年月をかけてできたこの自然の循環の恩恵を、決して忘れてはいけません。

     そもそもこの水は誰のものなのでしょうか。私たち人間だけのものなのでしょうか。それは違います。この地球上に命が生まれてから生きとし生けるものすべての命の源です。このかけがえのないレガシー(遺産)を遥か彼方の未来の子どもたちにまでつなげていくことが、今の私たちの努めではないかと、私は考えています。

     11月6日(日)に塩谷町の塩谷中学校アリーナで開催される市民公開講座では、水と健康について皆さんと考えたいと思います。

     ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。


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