医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第5回 新生児の話

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    国際医療福祉大学病院 小児科 小池泰敬

     新生児とは、生後1か月未満の小児の事を指します。

     この時期は、胎内環境から胎外環境への適応の時期であり、また、出生前環境が色濃く残っています。各内臓器の機能はまだまだ未熟であり、未熟性に起因する問題が起こる時期でもあり、小児は小さな大人ではないと言われる所以でもあります。

    健診などで母親から良く聞かれる事項について、以下にまとめました。

    新生児は体温調節機能が未熟なため、着衣や環境温が体温に影響します。1時間程度の間隔をおいて、数回、体温を計測し、続けて37.5℃以上が続いた場合、発熱していると考えられます。新生児期はお母さんからたっぷりと免疫をもらって生まれてくるので、発熱することはありません。元気であっても、発熱があった場合は、医療機関を受診しましょう。

    嘔吐新生児期は、胃の形態等から嘔吐を来しやすい構造になっています。溢乳や一口大の嘔吐は全く問題なし。大量の嘔吐であっても13~4回程度であれば病的なものとは言えませんので、様子をみて問題ないと思われます。

    皮膚新生児期には、皮膚に症状が出る重篤な病気を発症することは多くありません。皮膚の赤みが強かったり、皮膚剥離を伴わなければ、石鹸を使用して脂を洗すことで対応可能です。症状がひどい場合は軟膏を使用します。

    眼脂涙は、鼻涙管を通って目から鼻に流れていきます。新生児期は鼻涙管が狭いため、涙が眼の中に滞り、眼脂のようになります。体格が大きくなれば自然軽快しますが、眼脂の量が多い場合は目薬を使用し流れを促すこともあります。

    臍ヘルニア(出べそ)、陰嚢水腫新生児期には良くみられるもので、ほとんどの場合、1歳までには自然軽快します。1歳を過ぎても改善傾向がなければ、手術を考慮します。

     風邪は万病の元と良く言います。これは、成人において、命に係わるような病気でも、初期には風邪のような、ありきたりの症状で始まる、と言う事を表現しています。新生児の場合、その裏返しで、気になる症状があっても、元気にミルクを飲んで手足を良く動かしていれば、あわてることはない、と言えます。ただし、同じ症状が3~4日持続する場合は、医療機関を受診することを考えましょう。 



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