医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第2回 発熱の話

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    高瀬小児科医院 院長 仲澤博子(さくら市)
     
     「あら大変、熱がある!」 お子様の発熱は、育児に関わった方なら、誰しも経験がおありでしょう。
    “保育園行けないわ”“スイミングの日なのに〜”“頭が悪くなったらどうしよう”、困惑と心配で、早く熱を下げようと慌てがち。でも、ちょっと待って下さい。それ本当に下げるべき熱ですか?
    そもそも発熱とは、何度からなのでしょう。感染法によれば、発熱は腋窩で37.5℃以上、高熱は38℃以上と定義されています。加えて、年齢差・日内変動・個人差があります。お年寄りは低めで、子供は高め。乳幼児は更に、0.5℃位高いのです。同じ人でも、朝は低く、夕方は高くなります。健康な時に、朝・昼・夕方・寝る前の4回体温を測って、お子様の平熱を知っておきましょう。
    いよいよ熱がある、となったらどうするか?体温は大事な指標の一つですが、同じく大切なのは、その児の機嫌です。遊べるか、飲めるか、眠れるかです。それが大丈夫なら、慌てる必要はありません。ただし、これは一般のお子様の話で、ひきつける児や基礎疾患のあるお子様は、対処法を主治医に相談しておきましょう。また、生後3か月以下の赤ちゃんの38℃以上の発熱は、緊急のSOSだと思って下さい。
     ところで、発熱は体の敵なのでしょうか?ウイルスや細菌が侵入してくると体は、戦いやすいように自ら体温をあげます。発熱はいわば生体防御機能の一つなのです。とはいえ、熱は苦しいことも多いですよね。解熱鎮痛剤が、世界で初めての医薬品で、遥か紀元前に医聖ヒポクラテスが作っていたという事実からも、人類が何とかしたい最たるものだったと窺えます。
     熱が出たら、本人が快適なように衣服や室温を調節してあげましょう。熱に奪われる水分をしっかり補給しましょう。嫌がらなければ、首の周りや脇の下を冷やしてあげましょう。解熱剤は、一時しのぎです。38.5℃以上で辛い時だけ、使いましょう。安心してください、40℃くらいで脳はやられませんから。
     発熱については以上ですが、誤解しないでほしいのは、熱そのものは心配なくても、その原因の病気は治療を要するものもある事です。熱に慌てず、慎重に観察して、適切な治療を受けて下さい。


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