医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第7回 肝がん

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    黒須病院 院長 手塚幹雄(さくら市)
     
     肝臓は、腹部の右上にある体内最大の臓器です。その主な役割は、栄養分などを取り込んで体に必要な成分に換えたり、体内の有害物質の解毒や排出をすることです。
     肝臓のがんは、肝臓にできた「原発性肝がん」と別の臓器から転移した「転移性肝がん」に大別されます。原発性肝がんには、肝臓の細胞ががんになる「肝細胞がん」と、胆汁が流れる管(胆管)の細胞ががんになる「胆管細胞がん」などがあります。日本では原発性肝がんのうち肝細胞がんが90%と大部分を占めます。
     肝がんは、主要な発生要因が明らかになっているがんの一つです。最も重要なのは、肝炎ウイルスの持続感染です。ウイルスの持続感染によって、肝細胞で長期にわたって炎症と再生が繰り返されるうちに、遺伝子の突然変異が積み重なり、肝がんへの進展に重要な役割を果たしていると考えられています。肝炎ウイルスにはABCDEなどさまざまな種類が存在しています。肝がんと関係があるのは主にBC2種類です。日本では、肝細胞がんの約70%C型肝炎ウイルスの持続感染に起因すると言われています。このため、日本の肝がんの予防としては、肝炎ウイルスの感染予防と、持続感染者に対する肝がん発生予防が柱となります。また、B型やC型肝炎ウイルスに感染している人は、インターフェロンなどによる抗ウイルス療法などによって発がんの可能性を減少させることが明らかになってきています。
     肝炎ウイルスは、通常の生活でほかの人に感染することはありませんので、気にし過ぎる必要はありませんが、いくつか知っておくとよいことがあります。
    ●血液が付きやすいカミソリや歯ブラシなどは、共有しないようにします。
    ●食器やタオルを別にする必要はありません。
    B型肝炎ウイルスの感染は、ワクチンで予防できます。
    ●ウイルス肝炎には、抗ウイルス療法による治療を行うことがあります。
     わからないことがあったら、担当医に相談することをお勧めします。

     


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