医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第6回 大腸ポリープと大腸がんについて

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    根本医院 院長 根本祐太(さくら市)
     
     みなさんは大腸ポリープと大腸がんの違いを知っていますか?
     大腸ポリープには大きくなるとがんになる腫瘍性の物と、ほとんどがんにならない炎症性や過形成性の物があり、必ずしもポリープ=がんという訳ではありません。
     多くの大腸がんは突然発生するのではなく、まず小さなポリープから始まります。ポリープはキノコの様な形の物から、平べったく中心が少し凹んだ形の物等さまざまあります。これらのポリープはいずれも、小さいうちは全く自覚症状がありません。ポリープが大きくなると、徐々に便の通り道を狭くし、便秘と下痢を繰り返したり、便に血がまじったりしてきます。見た目にはわからない便の出血を便潜血といいますが、一般的な集団検診等で行われている便潜血検査は、安価な上に身体的負担も少なく手軽な検査方法です。しかし便潜血検査のがんの発見率は0.1〜0.2%と低く、精密検査を行っても痔や腸炎等であることが多いのが現実です。発見されるがんも多くは進行がんなのです。
     自覚症状が出る前の小さなポリープを早期に発見し治療するには、大腸カメラで直接観察する事が必要になってきます。大腸カメラは1980年代から多くの病院で行われるようになりました。しかし当時は大腸カメラをする為に飲む下剤の味が悪かったり、カメラが硬くて太く、痛みや苦痛を伴う検査でありました。現在では飲みやすい下剤が開発され、カメラの材質も良くなり、苦痛も少なく検査を受けていただけるようになってきました。
     がんになる前の大腸ポリープの初期段階で切除すれば、将来大腸がんで大きな手術をしたり、抗がん剤を投与するような事態になるのを防ぐことができるのです。
     現在の医療は早期診断、早期治療を推奨していますが、そのスタートは先ずみなさんの意識改革からです。大腸がんに限らず「私は大丈夫だろう」ではなく「私にも病気があるかも」という意識をもって積極的に医療機関を受診し、検査を受けるようにしていきましょう。

     


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