医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

地域の将来

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    尾形クリニック院長、塩谷郡市医師会会長 尾形直三郎

    今年一月から始まったリレーコラムも最終回を迎えました。地域の保健・医療・福祉にかかわるわれわれの姿勢や思い、日常使われている難しい医療用語、現行の医療保険制度の問題点などを「かかりつけ医」の心を通して分かりやすくコラム形式でつづりました。
     われわれの医師会が基幹病院と「かかりつけ医」との連携・役割分担に取り組み、丸三年がたちました。それは、面積は広いが人口も医療機関も少ないこの地域で、人々の期待に応えるには医療機関同士が力を合わせるしかないとの考えからです。
     もちろん、これを成し遂げるには地域の皆さまの協力が必要で、このコラムを通して皆さまとの距離をもっと縮めたい。また、地域の医療の現状と将来について一緒に考えて欲しいと思ったからです。
     下野新聞でも「地域医療が危ない」のタイトルで特集が組まれていますが、われわれの地域も多くの問題を抱えています。ちょうどわれわれがこの事業を始めて間もなく、新臨床研修医制度がスタートしました。
    その後、この制度の影響で医師の偏在化が現実となり、頼りにしていた基幹病院では、専門医の引き揚げにより診療科の縮小や閉鎖が相次ぎました。残った医師は過重労働で疲れ、病院の活力が低下したなどの問題が生じてきています。
     一方、それまでは病気の軽い重いにかかわらず患者さんは大病院志向でしたが、大病院は医師不足のためにすべてのニーズに応えられなくなりました。そのため、軽症は「かかりつけ医」へ、重症は基幹病院でという図式が自然にでき、努力しても一向に進まなかった医療連携が促進されたことも事実です。
     これからは「少子化」と「高齢化」は避けて通れない問題です。子供たちが将来健康な生活を送れる習慣を身につけ、増え続ける高齢者が寝たきりにならないように指導・予防するのも地域の「かかりつけ医」の仕事の一つです。 一般的な病気は大病院を受診しなくとも「かかりつけ医」の診療で十分だと思われます。日常の診療の中で、単に病気の治療だけでなく家族や地域の事情まで考慮した小回りの利く、心の通った医療が提供できる、そんな「かかりつけ医」をもっと活用してください。
     この地域の医療連携はまだ道半ばですが、行政を含めた地域の人々の協力で、皆さまに信頼される確かな医療供給システムをつくって行きたいと思います。
     「かかりつけ医」中心の医療連携ができ、子供にとっても高齢者にとっても安心して暮らせる地域にしたいものです。

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