医療コラム/塩谷郡市医師会

塩谷郡市医師会のリレーコラム。毎回テーマを変えて各分野の話題をご提供

第16回 本当の体験

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    植木医院 院長 植木雅人(塩谷町)

     私が訪ねている高齢者の施設では、物忘れ予防や体操の一環として手を開いたり閉じたり(グッパーグッパー)と、運動をしています。

     最近の報道では、子どもたちの指先の力不足で、鉛筆はHBを使う子は少なく、B・2Bを使う子が多いとも聞きます。

     人の運動機能は、粗大な運動から微細な運動へと発達していきます。赤ちゃんは、首が座り、寝返りをして、はいはい、つかまり立ち、伝い歩き、一人歩きと、実際に体を動かすことによって発達していきます。手の動きも握ったり離したり、つかむ、まるめる、ひっぱるなどの遊びを通して体験し発達していきます。子どもたちの指の運動や手の運動をする機会が減ったのでしょうか。子どもたちの指の運動や手の運動を促すオモチャ、パパやママは何を思い浮かべますか。私は積み木が一番のオモチャと学びました。アクティビティ・トイ、つまり子どもたちの指や手の運動になるオモチャです。教育関係の先生の中には、子どもの創造性を豊かにするとか、構築力を高めるとか、そういう視点からの感覚でみますが、やはり積み木はアクティビティ・トイと思っています。積み木があるからこそ子どもは握ったり離したり、握ったり離したりの連続動作を長い時間続けることができます。積み木がなかったらこの運動はできません。

     小さい子がタブレット端末の画面を指先1本で操作し、絵本を読んだり積み木を積んだりしても、触感や重さや質感などはわからず、脳が育つために必要な体験ができません。

     子どもに指や手の運動をさせる、フル活動をさせる、そういうオモチャとして積み木などのアクティビティ・トイに注目していただきたい。さらに欲を言えば地産地消ではないが、地元の木を使い、地元の職人が制作した木製のオモチャはいかがだろうか。



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